第12.5回 株式会社FORM 松本有さん


こんにちは、cueです!

今回、第12.5回として株式会社FORMの松本有さんにお話をお伺いしてきました!


↓株式会社FORMホームページ

http://www.form.co.jp/



以下、参加メンバーの感想です♪




 高校3年生の時、ピニンファリーナのデザインの本を読んだことで、自分の世界が変わったと言います。当時は絵など一枚も描いたことがなく、医者を目指していた彼が、その本との出会いによってデザインの道に進み、かの有名なミニ四駆のデザインと設計を全て行うなどの業績を重ね現在に至る。

 松本さんは「科学するデザイン」「コンカレントデザイン」などの概念を生み出し、それを体現すべく株式会社FORMを立ち上げた。

 会社で代表を務める傍らで、大学教授としての顔を持つ彼は自らの研究生をみて松本さんの時代とのギャップを感じることが多いと言う。彼曰く「世の中の道具はどんどん簡単になっている。そして簡単なものは"失敗しないようにする力"を人から削いでしまっている」のだそうだ。

 昔は子どもの頃に小さな怪我を経験することで、何をすることが危険なことなのかを直感的に理解することができたが、今の学生にはその力が見られないとのことだ。確かに、僕たちの世代は子どもの時から便利な道具と安全な環境で育ってきた様に感じる。

 この現状に関して重要なのは子どもに能力がない事ではなく、機会がないことだと松本さんは訴える。

 「その機会を提供する役割を担うのが教育である。日本の教育は平均化をはかるイメージが強いが、個性を伸ばす教育をもでと進めるべきだ。僕は30年後を考えて、教育に投資する。」と熱いメッセージを伝えてくださった。

 今回の てんご を通じて、私は教育の可能性と責任を再認識させられました。平均化の教育、個性を伸ばす教育、僕はどちらも必要だと思います。

 時代や社会の形態によって必要な教育は変化します。また、その教育によって社会を構成する人々が変わります。今、日本ではコンピテンシー(資質能力)を高める教育を目指しているという事を講義でもなんども耳にしました。教育が変わるのか、教育で変えるのか、みなさんはどっちだと思いますか。

 松本さんの「30年後を考えて教育に投資する」という言葉、正にそうだなぁと思います。

実は僕が教員を目指している理由も今回の話題になっている教育の可能性に魅力を感じての事なのですが、このことを考えるといつも「じゃあ、自分には何ができるのだろう?」「子どもの力になれるのだろうか」と漠然とした不安が襲ってきます。

 この答えはいつ、見つかるのか。ぼんやりと"止まったままでは見つからない"とは感じているのですが、まだまだしっくりとした答えは見つかりませんね。

 でも、いろんな人から話を聞くことはとても大切だと思います。社会人のみなさんとお話しすると、みんな違う事を言います。みんな想いをもっています。

 そこが、このcueを通じて学べたことだと思います。これまでも、そしてこれからも。

(樋口悠太)


 松本さんにはデザインと創造教育、日本の将来について話がきけました。モノであふれる時代で道具の使用経験も乏しくなってきている、その現状を受け止めた上で今では教育委員会にも掛け合い地域の子どもたちへ創造教育を実施しているそうです。ワークショップや体験教室等を通して、道具の使い方を楽しみながら体験してもらい、子どもたちが考える機会を増やす。このことがこれから10年、20年先の未来でどう日本を変えていくのか気になると同時に、自分もデザイン方面の知識や経験を学んでみたいと思いました。

 松本さんは「デザイナーがエンジニアリングもやる。デザインをするために絵を描く技術があるのは前提であって、それ以外それ以上を知らなければデザインはできない」と話していました。その話を受け逆に、研究者やエンジニア、ひいては教育者にも、周りからどう見え、どうすれば見やすく、どういうものが求められているのかと“デザイン”の勉強をする必要もあるのではないかと感じました。

 松本さんはとても物腰やわらかく、優しい人でした最後にはお土産としてポップコンテナ(OXO)の新製品をいただきました。そこにもさまざまな実験の積み重ねと工夫が凝らされていることだと思います。片手で開封可能で気密性に優れるこの商品は、実用性がある一方でドライフードをインテリアとして並べることもできます。「魅せる収納」となっているこのポップコンテナが一体どのようにして開発されたのか非常に気になります。

(中家健太)


 私は今回の訪問で、これからの教育についてのお話がとても心に残りました。

お父さんがプラモデルを作れない時代。道具の使い方がわからない子どもたち。美術専攻の私にとって、問題視すべき内容でした。そこに対し、”創造教育”のワークショップを通して、このような社会現象に向き合う活動をされているとのこと。より多くの人にこの問題意識や活動を知ってもらいたいです。

 こどもたちが知恵を蓄えていけるような未来を作りたいと強く感じた時間でした。

(秋岡吟)